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信託銀行の「遺言信託」とは?~メリット・デメリット

2018/9/10

こんにちは。本日は、信託銀行の「遺言信託」とは?~メリット・デメリットについて説明します。

◎信託銀行の「遺言信託」とは

・信託銀行は、①遺言書作成の手伝い、②遺言書の保管、③遺言の執行等をパッケージとした商品を「遺言信託」と称して売り出しています。この「遺言信託」は、「信託」との文言を使い、遺言に関する業務を内容としていますが、信託法3条2号に規定される「遺言による信託」とは関係ありません。

・①遺言書作成の手伝いとは、遺言者の財産状況と意向を聞き、遺言者の意向に沿った公正証書遺言の原案を作成する手伝いをするというものです。

・②遺言書の保管は、①により作成された遺言公正証書の正本又は謄本を保管するというものです。

・③遺言の執行とは、信託銀行が遺言執行者に就任し、遺言を執行するというものです。

◎信託銀行の「遺言信託」のメリット・デメリット

・信託銀行の「遺言信託」のメリットは、遺言で指定された遺言執行者が遺言者よりも先に死亡することがないことが挙げられます。
・なお、信託銀行は、「遺言信託」の内容として遺言書の保管をすることをメリットのように謳っているようですが、遺言公正証書の原本は公証役場に保管され、相続人は遺言者を特定できれば全国のどこの公証役場でも遺言公正証書の正本又は謄本を取得できますので、メリットというほどのものではありません。
・他方、信託銀行の「遺言信託」の大きなデメリットとして、信託銀行が紛争事例を取り扱わないことが挙げられます。
・信託銀行は、遺言前から将来の相続人間の争いが見込まれる場合には「遺言信託」を受けませんし、遺言者の死亡前から相続人間に争いがある場合には遺言執行者に就任せず、遺言者の死亡後に相続人間の争いが生じた場合には直ちに遺言執行者を辞任してしまいます。
・遺言者としては、できるだけ相続人間に紛争が生じないように遺言書を作成し、仮に争いが生じそうな場合であっても、遺言者の真意を知る遺言執行者が遺言を執行する際に相続人に対して遺言者の真意を説明することで紛争にならないことを期待しているはずですので、信託銀行の「遺言信託」では、このような遺言者の期待に必ずしも応えられません。

◎弁護士に「遺言書」の作成を依頼するメリットとデメリット

・弁護士に「遺言書」の作成を依頼する場合の最大のメリットは、遺言者の意向を最大限に尊重しつつ、将来の紛争をできるだけ予防できることにあります。
・弁護士に「遺言書」の作成を依頼するといっても、依頼を受けた弁護士は、遺言者の意向をふまえ遺言公正証書の条項の原案を作成しますので、この点については「遺言信託」と同様です。
・しかし、弁護士は、単に遺言者の意向を文章化するだけでなく、相続人間の相続分に差をつけることきに一部の相続人の遺留分を侵害しないようにしたり、遺留分を侵害するときでもその解決方法を併せて提案することにより、できる限り遺言の内容によって相続人間の紛争が生じないように原案を提案します。
・一つ目のデメリットとして、弁護士が遺言者よりも先に死亡するなど、遺言者の死亡時に業務執行ができない可能性があることです。
・二つ目のデメリットとして、利益相反が生じるおそれがあることです。一部の相続人等を優遇する場合、遺言執行者となった弁護士は、利益相反が生じるため、その一部の相続人等のための弁護活動ができません。

◎信託銀行の「遺言信託」の費用について

・信託銀行の「遺言信託」の手数料は、相続財産の2パーセント程度とされています。

本日はここまでとします。次回に続きます。
またのご訪問お待ちしております。

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