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遺産分割の裁判手続~争点に応じた選択

2018/11/12

こんにちは。
青森県弘前市の行政書士、香取です。

本日は、遺産分割の裁判手続について説明します。
一般的な法律相談に対する回答・解説になります。また、行政書士が業務として相談に応じられない場合があることをご了承ください。

◎質問

・遺産分割について相続人間で話合いを行ってきましたが、協議がまとまりません。裁判所で解決したいのですが、この後どうすればよいか、手続を教えてください。

◎回答・解説

1.争点に応じた手続の選択

・遺産分割の争点は主に次の5点に分類することができ、①から⑤の順に解決を図っていきます。

①相続人の範囲(親子関係の存否等)
②遺産の範囲(預貯金の存否、不動産の所有権の有無等)
③遺産の評価(不動産や有価証券等の評価金額)
④各相続人の取得額(特別受益・寄与分による調整)
⑤遺産の分割方法(現物分割、代償分割、換価分割、共有分割)

・遺産分割に関する紛争解決は、家庭裁判所における遺産分割調停手続を利用することが一般的です。しかし、①相続人の範囲や②遺産の範囲といったいわゆる遺産分割の前提問題について争いがある場合には、遺産分割調停に続く家事審判は既判力を有さないとされているため、①につき家庭裁判所における合意に相当する審判を目的とする特殊調停や、②につき地方裁判所における遺産の確認訴訟(通常民事訴訟)の提起を検討する必要があります。

2.遺産分割調停の概要

(1)調停前置主義の対象外

・遺産分割調停は家事事件手続法別表第2の審判事件であるため、調停前置主義の適用はなく、初めから家事審判を申し立てることも可能です。しかし、実務上、いきなり審判申立てを行っても裁判所の職権で調停に付される運用となっていることから、家事調停手続を選択することが通常です。

(2)相手方及び管轄

・法定相続人全員を相手方とし、相手方の住所地(相手方が複数いる場合はいずれかの住所地)を管轄する家庭裁判所か法定相続人間で合意した家庭裁判所に申立てを行う必要があります。

(3)審理方法

・調停委員との交互面接の方法により、相手方と直接対峙することなく審理を進めることができます。遺産分割調停は当事者主義的な運用がされており、当事者が通常民事訴訟と同様に書面による積極的な主張立証活動を行う必要があります。なお、遺産分割の争点は多岐にわたり、長期化する傾向にあるため、合意が調った事項から中間合意の制度により合意内容を調書化し、争点の蒸し返しを防ぐことが重要です。

(4)不調時の審判移行

・遺産分割調停が不調となった場合は自動的に審判手続に移行し、最終的に裁判所が審判により遺産の分配を決定します。

(5)取下げ

・遺産分割調停は調停終了時まで相手方の同意なく取下げが可能です。なお、審判手続に移行した後の取下げには一定の制約があります。

◎ポイント

◇家庭裁判所に遺産分割調停を提起するか、その他の裁判手続(特殊調停、通常民事訴訟等)を利用。
◇遺産分割調停における協議が不成立の場合は家事審判手続に移行。

本日はここまでとします。次回に続きます。
またのご訪問お待ちしております。

 

 

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