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人身傷害保険と搭乗者傷害保険

2019/6/17

こんにちは。
青森県弘前市の行政書士、香取です。

本日は、人身傷害保険と搭乗者傷害保険について説明します。一般的な法律相談に対する回答・解説になります。また、行政書士が業務として相談に応じられない場合があることをご了承ください。

◎相談

・相手の保険会社から、今回の事故は私の過失も大きいので私が加入している人身傷害保険から受け取った方がよいのではないかと言われました。どういう意味でしょうか。また、搭乗者傷害保険は受け取っても問題ないでしょうか。

◎回答・解説

◇人身傷害保険

・人身傷害保険は、賠償保険のように加害者側ではなく被害者側が付している保険であり、加害者が無保険であったような場合や被害者に過失相殺されるべき落ち度があるような場合には利用メリットのある保険です。
・加害者が無保険で無資力状態にある場合には人身傷害保険を利用するメリットは分かりやすいところですが、過失相殺される場合にもメリットがあるというのは、人身傷害保険が、被害者の過失に優先充当されるという性質を持った保険(被害者の損害をできる限り最大限填補する趣旨の保険)であるためです。
・ただし、人身傷害保険は保険契約であることから、各保険会社によって微妙な違いがありますので、利用の際は適用約款をチェックする必要があります。特に重要な点は、人身傷害保険金の控除に関する規定です。
・多くの人身傷害保険約款では、加害者等(賠償保険会社、自賠責保険を含みます。)からの損害の填補があった場合には人身傷害保険金から同額を控除するとされているため、被害者の過失の大きいケースでは、人身傷害保険を先行受領してしまえば被害者の損害を十分に填補できたのに、賠償保険の受領を先行したために十分に填補できないという可能性もあるので注意が必要です。

◇訴訟差額基準説

・人身傷害保険の、「被害者側の過失に優先充当」という性質については、直接的には人身傷害保険会社の求償の範囲の話としてですが、最高裁が、「上記条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は、上記保険金の額と被害者の加害者に対する過失相殺後の損害賠償請求権の額との合計額が民法上認められるべき過失相殺前の損害額を上回る場合に限り、その上回る部分に相当する額の範囲で保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する。」として、訴訟差額基準説を採用することを明らかにしています。

◇搭乗者傷害保険と損益相殺

・搭乗者傷害保険は、その性質として損害の填補というより保険料の対価という側面が強いため、受領しても損益相殺の対象となりません。したがって、先に受領しても全く問題ありません。

◇ポイント

●人身傷害保険は、被害者側の過失から優先充当できる性質を持っており、被害者に過失相殺される過失がある場合は、先行利用することで損害を100パーセント填補できる可能性がある。
●搭乗者傷害保険は損益相殺の対象でないため、いつ受領しても賠償額に影響はない。本日はここまでとします。次回に続きます。

またのご訪問お待ちしております。

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