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海事代理士試験~憲法・民法~傾向と対策

2019/7/8

こんにちは。
青森県弘前市の海事代理士、香取です。

本日は、海事代理士試験~憲法・民法の出題傾向と対策について説明します。
なお、海事代理士試験研究センター(ReaL)平成27年5月第2版発行の海事代理士必修テキストよりの記述であります。

◎憲法

◇目標点と出題形式

●目標点 8点/10点
●出題形式 空欄補充式・正誤式

・日本国憲法(憲法)は、我が国の最高法規であり、憲法に違反する法令等は無効となることを想定しています。また「基本的人権の尊重」、「国民主義」、「平和主義」を三大原理として定めており、全103条の条文があります。昭和22年の施行から一度も改正が行われていないことや改正手続きが厳格であることから、硬性憲法と言われています。
・海事代理士試験においては、一般法律常識科目の1つとして出題されており、ほかの科目と同じ10点の配点となっていますが、限られた学習時間の中で優先すべきは専門科目(海事法令科目)であることから、憲法については、中学社会や高校公民などで学習した経験をベースとして、現状有する知識をできる限り活かし、効率よく学習していくことが必要になるでしょう。
・また、憲法は一般常識3科目の中では比較的条文数が少なく、馴染みやすいことなどから、過去問を中心に繰り返し学習することにより、一定のレベルに達することが出来ると思われます。
・出題範囲は、103条の条文中から満遍なく出題せれる傾向にあります。また他の資格試験ではあまり出題されることのない前文や第9条などからも出題実績があるため、どの条文から出題されても答えられるように心掛けておきましょう。
・出題形式は、条文等の空欄補充式と〇✕の正誤式が中心となっています。近年は複数の問題文の中から正しいものを5つ選ぶような問題が多くなっており、1つ1つの問題文の正誤を確実に判断できる力を養っておく必要があります。
・なお、一部の問題において判例の内容が問われるケースがありますが、問題の多くは条文から出題されているので、基本に忠実な試験対策を行うことが得策だと言えるでしょう。

◎民法

◇目標点と出題形式

●目標点 0~8点/10点・・・私としては、過去問を回せば5点以上はいけると思いますが深入りはしなくても良いです。
●出題傾向 空欄補充式・正誤式

・ご存知のとおり、民法は1044条からなる法律であり、総則・物権・債権・親族・相続と分野も多岐にわたる、大変条文数の多い法律です。
・これだけ幅広く、条文数の多い法律ですが、海事代理士試験における民法は、一般法律常識科目として出題されているに過ぎず、配点も10点と極めて少ないものとなっています。このため、出題範囲を絞り込むことが事実上不可能になっており、民法の得点可能性と学習の効率を考えると、専門科目である海事法令に力点を置く方が望ましいのではないか、と考えています。
・本テキストでは、参考として過去10年間に2回以上出題されたことがある条文を抽出しましたが、これ以外の多くの問題は毎年新しい条文から出題されているということになります。したがって、民法の対策としては、既に他の法律系資格試験や大学等で民法の学習経験がある方はその知識の範囲内で、初めて民法を学ぶ方については本テキスト及び過去問を一読いただく程度に絞ることを推奨しています。(もちろん時間があれば学習を進めていただくことは差し支えありませんが、むしろ得点源とすべき海事主要四法(船員法・船舶職員および小型船舶操縦者法・船舶法・船舶安全法)により多くの学習時間を掛けた方が良いと考えています。)
・これは、海事代理士試験における民法が占める割合は(10点/220点)と、極めて低いこと、また筆記試験において科目ごとのボーダーライン(いわゆる脚きり)が存在しないことから、民法をある程度マスターするためには相当の学習時間を掛ける必要があることを考慮したものです。
・出題形式は、条文等の空欄補充と問題文に対して正誤を判断するものが多くなっています。一部判例等からの出題もありますが、あまり気にする必要はないと思います。

本日はここまでとします。次回に続きます。
またのご訪問お待ちしております。

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