海事代理士試験~港則法・海上交通安全法
こんにちは。
青森県弘前市の海事代理士、香取です。
本日は、海事代理士試験~港則法・海上交通安全法の出題と傾向について説明します。
なお、海事代理士試験研究センター(ReaL)平成27年5月第2版発行の海事代理士必修テキストよりの記述であります。
◎港則法
◇目標点と出題形式
●目標点 8点/10点
●出題形式 空欄補充式・記述式 等
・港則法は「港内における船舶交通の安全及び港内の整とんを図ることを目的とする」とあるように、港という限られた海域の中で、多数の船舶が入出港したり、停泊したり、荷役などの作業を行う場所であるため、危険が特に生じやすいことから、港内の安全と整頓を図る規制をしている法律です。
・出題範囲は、港則法からの出題が中心ですが、施行規則からの出題もあります。法第23条、第32条、第33条と法律の目的について規定している第1条が出題回数の多い条文としてあげられます。なお、「第5章 水路の保全」と「第8章 罰則」については出題実績がほとんどありませんが、近年は出題傾向が変化しているので、これらの分野からの出題可能性も否定できません。
・出題形式は、条文等の空欄補充が中心となっていますが、過去には特定港(きつ水の深い船舶が出入りできる港又は外国船舶が常時出入りする港であって、政令で定められている85港)・特定港以外の法適用港(法37条の3で準用規定が定められている500港)で実施される各種作業について、許可や届出といった手続きが必要か否かを問う問題や特定港を選択肢の中から選ばせるような問題が出題されています。ここ数年は出題形式が一定していないため、全問が空欄補充式で出題されたり、「船舶交通が著しく混雑する特定港」(施行規則第8条の2)の港名を書かせる問題が出題したりと、今後も出題形式や傾向に変化があると思われますので、十分注意してください。
・対策として、例年出題されている特定港内での実施される作業について、許可が必要なのか、届出が必要なのか、それとも許可も届出も必要ないのか、要件を整理・理解して、丁寧に暗記していくことが重要になります。そして、特定港以外の法適用港について、法37条の3で準用規定が定められている条文についても暗記する必要があります。
◎海上交通安全法
◇目標点と出題形式
●目標点 8点/10点
●出題形式 空欄補充式・記述・語群選択式
・海上交通安全法は「船舶交通がふくそうする海域における船舶交通について、特別の交通方法を定めるとともに、その危険を防止するための規制を行うことにより、船舶交通の安全を図る」とあるように、船舶交通がふくそうする東京湾、伊勢湾および瀬戸内海の3つの海域について、海上衝突予防法の特別法として、海上交通のルールを定めています。
・出題傾向としては、施行規則からの出題も多いのが特徴であり、施行規則第11条「危険物搭載船に該当するための要件」、施行規則第14条「巨大船等の航行に関する通報の方法」などが出題されています。また、適用海域も頻出問題の1つとなっており、適用海域と、その海域の中における航路を答えさせる問題が出題されています。この他、航路ごとに定められたルールが条文中に存在していますが、実務上は重要なポイントであるものの、海事代理士試験においては出題されていません。
・近年の出題形式を見ていくと、年によって記述式、語群選択式などが混じって出題されており、一定していないため注意が必要です。また、過去には航路での作業について許可または届出が必要となるか否かを判断させるような形式の問題も出題されていたこともあるため、出題傾向・形式については今後も変化しうる可能性が高い科目のひとつだと考えられます。
・対策としては、海上交通安全法が適用される海域と、海域の中で対象となっている航路を紐づけて記憶することが大切です。また、巨大船及び危険物積載船の定義(大きさなど)、課せられた義務について暗記しておく必要があります。
本日はここまでとします。次回に続きます。
またのご訪問お待ちしております。
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