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異時共同不法行為~自賠責保険の考え方

2019/6/10

こんにちは。
青森県弘前市の行政書士、香取です。

本日は、異時共同不法行為について説明します。一般的な法律相談に対する回答・解説になります。また、行政書士が業務として相談に応じられない場合が有ることをご了承下さい。

◎質問

・2か月前に追突事故に遭い、頚椎捻挫で通院中にまた追突されて首が更に痛くなりました。この場合、「自賠責を2倍使えるので2倍の賠償金を貰える」と聞きましたが本当ですか。

◎回答・解説

◇異時事故の考え方

・ある人が交通事故に遭って負傷し、しばらく経った後、再び交通事故に遭って同一部位を再び負傷することがあります。第2事故後に具体化した損害がどちらの事故によって生じたか分からない場合、第2事故後に具体化した損害についていずれの加害者がいかなる責任を負うのか問題となります。
・第1事故による傷害の症状が固定した後に第2事故に遭った場合、この問題は生じません。症状固定時を基準に、どの損害がどの事故から生じたか区別できるからです。
・これに対し、第2事故に遭った時に第1事故による傷害の症状が固定していなかった場合、人身損害がどちらの事故によって生じたのか、判然としません。考え方として、①両事故を単に2個の単独不法行為と捉え、損害がどの事故によって生じたか被害者に立証させ、民事訴訟法248条などで対応するもの、②1個の共同不法行為(損害一体型)でもあるとして、第2事故後に具体化した損害につき両加害者に不真正連帯債務を負わせるものがあります。
・裁判例は、上記①を採ることが多いようです。この考え方によれば、各事故により被害者が受けた物理的衝撃、第1事故直後における傷害の内容・程度、これに対する治療や回復の状況、第2事故の直前及び直後における症状、第2事故後における治療や回復の状況などに基づき、どの事故によってどの損害が生じたかを被害者が立証します。

◇異時共同不法行為における自賠責保険金額

・加害者が複数(異時共同不法行為を含みます。)の場合、1人の被害者に対する自賠責保険金の支払限度額は、保険金額X自賠責保険付保の加害車数により算出されます。
・この計算方法により支払限度額が増えたからと言って、受取金額も増えるとは限りません。自賠責保険は、被害者に損害賠償責任を負うことによって車両の保有者や運転者に生じる損害をてん補するものですから、実際に生じた損害(自賠責基準)についてのみ保険金が支払われます。
・支払限度額と発生した損害額(自賠責基準)のいずれか少な方が、実際の受取金額となります。

◇異時共同不法行為で特に検討すべき点

・異時共同不法行為で特に検討すべき点は次のとおりです。

①両事故による物理的衝撃の程度
②第1事故直後、並びに第2事故直前及び直後の症状
③第1事故及び第2事故の後における治療及び回復の状況

◇ポイント

●両事故の加害者の自賠責保険が適用され、支払限度額は2倍になるが、受取金額は支払限度額と発生した損害額(自賠責基準)のいずれか少ない方(受取金額が2倍になるとは限らない。)。

本日はここまでとします。次回に続きます。
またのご訪問お待ちしております。

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