海事代理士試験~造船法他~出題傾向と対策
こんにちは。
青森県弘前市の海事代理士、香取です。
本日は、海事代理士試験~造船法・国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律の出題傾向と対策について説明します。なお、海事代理士試験研究センター(ReaL)平成27年5月第2版発行の海事代理士必修テキストよりの記述であります。
◎造船法
◇目標点と出題形式
●目標点 10点/10点
出題形式 空欄補充式・選択式
・造船法は、「造船技術の向上を図り、あわせて造船に関する事業の円滑な運営を期することを目的とする」と第1条に規定されているように、造船事業を規制するための法律です。第二次世界大戦後、造船産業を近代化させつつ、外国資本の流入を防ぐために、また、造船能力、施設を適正に調整するために、戦前に実施されていた許可制度が再開されたもので、造船法のもっとも根幹の部分と言えます。
・条文数が造船法13条、造船法施行規則7条と、条文数が少なく、出題項目も自ずと限られてくるので、高得点を取りたい科目の一つです。
・過去8年間の出題状況をみると、法第6条の「船舶の製造事業等の開始、休止及び廃止」や、施行規則第5条で規定されている各種「報告」の内容、また法第2条の「施設の新設等の許可等」など、造船業に関する許可の手続き等について、よく問われています。
・特に、許可の対象となる造船設備の規模や、許可を申請する期限(ex.事業を開始した日から2個月)、そして造船関連事業を営む者に義務付けられるている報告の時期など、具体的な数字の回答を求められることも特徴として挙げられます。
・出題傾向としては、空欄補充式による出題が圧倒的であることから、条文中のよく問われる個所を把握し、その語句や数字をしっかりと暗記しておくことが、攻略のポイントになるでしょう。なお、平成21年には、造船法の目的を問う問題が選択式で出題されました。今までにはなかった問われ方であり、今後も新しい傾向による出題がなされる可能性がありますので、注意が必要です。
◎国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律
◇目標点と出題形式
●目標点 8点/10点
●出題形式 空欄補充式・選択式
・国際航海船舶及び国際港湾施設の保安等に関する法律は、船舶や港湾施設などに対するテロ事件等を防ぐために改正されたIMO(国際海事機関)における改正SOLAS条約(海上人命安全条約)付属書を国内法として担保するために、国際航海船舶や国際港湾施設に実施すべき自己警備としての保安措置を義務づけ、外国から日本に入港しようとする国際航海船舶の入港に係る規制を定めたものです。国際港湾施設にかかる部分を除き、海事代理士業務となったため、平成16年海事代理士試験から出題されています。
・出題傾向としては、「国際航海日本船舶の保安の確保のために必要な措置」について、語句や数字を補充するという問題形式で出題されています。特に「第2章 国際航海船舶の保安の確保」中の「第1節 国際航海日本船舶に関する措置」の範囲(法4条~23条)から中心に出題されており、今後もこの傾向が続くと考えられます。
・対策としては、一通り過去問を解いてみること、そして空欄補充式の問題において解答となっている語句(例:「船舶保安統括者」、「船舶保安管理者」、「国際海上運送保安指標」、「船舶警報通報装置」)など、長くて混同しやすいキーワードが多い条文なので、間違えないように暗記することが必要です。国土交通省から全体像をつかむのに便利な資料も出ていますので参考にするとよういでしょう。
・実務では、船舶保安規定の承認や船舶保安検査の申請、船舶保安統括者(CSO)や船舶保安管理者(SSO)の選任又は解任の届出などの手続きに携わることができます。
本日はここまでとします。次回に続きます。
またのご訪問お待ちしております。
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