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農地の賃貸借の対抗力~農地法

2018/7/17

こんにちは。本日は、農地の賃貸借の対抗力について説明します。

◎農地又は採草放牧地の賃貸借の対抗力(法16条)

1.農地又は採草放牧地の賃貸借は、その登記がなくても、農地又は採草放牧地の引渡があったときは、これをもってその後その農地又は採草放牧地について物権を取得した第三者に対抗することができる。
2.民法第566条第1項及び第3項(用益的権利による制限がある場合の売主の担保責任)に規定は、登記していない賃貸借の目的である農地又は採草放牧地が売買の目的物である場合に準用する。
3.民法第533条(同時履行の抗弁)の規定は、前項の場合に準用する。

・民法の原則は、不動産の賃貸借は登記をもって第三者に対抗できるというものですが(民605)、法16条1項は農地の賃貸借に限りその原則を修正する規定であります。
・法16条2項は、本来登記のある賃貸借に適用されている売主の担保責任を準用するとするものであり、同条3項は、同時履行抗弁規定の準用規定であります。
・これらは、小作人の地位向上を目指した戦前の幾多の小作争議を経て、昭和13年の農地調整法に盛り込まれたもので、現在の農地法が引き継いでおります。

◎農地又は採草放牧地の賃貸借の更新(法定更新)(法17条)

・農地又は採草放牧地の賃貸借について期間の定めがある場合において、その当事者が、その期間の満了の1年前から6月前まで(中略)の間に、相手方に対して更新をしない旨の通知をしない時は、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものとみなす(後略)。

①民法の原則は、期間の定めのある場合は、契約期間が満了すれば終了し、相手方が更新を希望しても拒絶できるというものです(民616・597)。
・また、当事者の一方が債務を履行しないときは、相手方は相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときは契約を解除することができます(履行遅滞等による解除権)(民541)。
・また、当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者はいつでも解約の申入れができ、土地については1年経過すれば賃貸借は終了することになっています(民617①)。
・なお、収穫の季節がある土地の賃貸借については、その季節の後から次の耕作に着手する前までに解約の申入れをすることが必要であります(民617②)。
・本条文は、期間の定めのある場合において、小作人保護の立場から、借地借家法と同様、特別法によりこの原則を修正する規定であります。

②農地中間管理事業の農用地利用配分計画による賃貸借や農業経営基盤強化促進事業の農用地利用集積計画による賃貸借等については本規定は適用されません。
・また、特定農地貸付法に基づく市民農園利用のための特定貸付け等についても同法の中で本規定が適用されないことが明記されております。

③法18条7項及び8項で、本条及び民法の関係規定に比して賃借人に不利なものは定めないものとみなすこととされ、契約に付した解除条件、不確定期限は付けないものとみなすこととされております。

本日はここまでとします。次回、農地の賃貸借の解除の制限に続きます。
またのご訪問お待ちしております。

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