建設業許可取得を見据えた会社設立のポイント～青森県弘前市/香取行政書士事務所

建設業の会社を設立するにあたって、将来スムーズに建設業許可を取得するためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。この記事では、最も多い「自己出資で自身が社長となるケース」を前提に、会社設立後に建設業許可を取得するための注意点について解説します。

目次

1. 1.役員の構成
   • 常勤役員等の要件
   • 欠格要件に該当する人がいないこと
2. 2.資本金の額
   • 一般建設業許可の場合
   • 特定建設業許可の場合
   • 資本金500万円以下の場合
3. 3.定款の目的
   • 建設業の目的記載例
   • その他の許認可も考慮する
   • 当事務所がおすすめする目的
4. 4.まとめ

1. 役員の構成

建設業許可を取得する際、役員構成に関する条件をクリアする必要があります。株式会社では「取締役」、合同会社では「業務執行社員」が役員に該当し、特に以下の2点を確認しておきましょう。

常勤役員等の要件

建設業許可取得には、経営業務管理責任者（常勤役員等）の在籍が必要です。「建設業に関する5年以上の経営経験がある人」が役員に就任しなければなりません。設立者がこの要件を満たせない場合、要件を満たす人物を役員に加えるとスムーズです。

欠格要件に該当する人がいないこと

役員の中に、建設業法の違反歴がある方や禁固刑以上の処罰歴がある方がいる場合、許可は取得できません。また、出資割合が5％以上の株主も欠格要件の審査対象となりますので、しっかりと確認しておくことが重要です。

2. 資本金の額

建設業許可を取得するには「財産的基礎があること」が求められます。設立から第1期決算終了までの間に許可申請を行う場合は、資本金の額に関して以下の基準を満たす必要があります。

一般建設業許可の場合

資本金が500万円以上であれば、一般建設業許可の基準を満たします。

特定建設業許可の場合

資本金が4,000万円以上必要です。

資本金500万円以下でも申請可能です

資本金が500万円未満の場合でも、会社の銀行口座に500万円以上の残高があることを証明すれば許可取得が可能です。

3. 定款の目的

会社設立時に作成する定款には、事業目的を正確に記載し、それが登記されます。建設業許可申請の対象業種に対応した記載が必要です。たとえば、申請する場合に「建設業」だけでなく具体的な業種を明記する必要があることもあります。

建設業の目的記載例

具体的な業種の記載例として以下があります。

• ・具体的に業種を記載する場合
  例: 塗装工事の請負、施工
• ・すべての業種に対応する記載パターン
  例: 建築・土木・設備工事の請負、施工

その他の許認可も考慮する

建設業関連の許認可取得を見据えて、関連する事業目的も記載しておきましょう。

• ・産業廃棄物収集運搬業許可：産業廃棄物収集運搬業
• ・宅地建物取引業免許：不動産の売買、賃貸、仲介
• ・建築士事務所登録：建築物の設計、工事監理

当事務所がおすすめする目的

1. 1.〇〇工事の請負、設計、施工
2. 2.建築・土木・設備工事の請負、設計、施工
3. 3.産業廃棄物収集運搬業
4. 4.前各号に附帯関連する一切の事業

登記事項証明書に記載された目的は一般公開されるため、メインの工事業種や会社の強みを反映させておくとよいでしょう。

4. 建設会社設立のポイントまとめ

建設業許可取得を見据えた会社設立において、「役員構成」「資本金」「事業目的」の3つを押さえることが重要です。

1. 1.常勤役員等の要件を満たす人を取締役に入れる
2. 2.役員および5％以上の株主に欠格要件がないか確認
3. 3.資本金500万円以上で一般許可の基準を満たす
4. 4.特定許可には資本金4,000万円以上が必要
5. 5.資本金が足りなくても銀行残高証明で一般許可取得が可能
6. 6.事業目的は建設業に対応した内容を定款に記載

青森県弘前市にある香取行政書士事務所では、建設業許可の取得や会社設立についてのサポートを提供しております。青森県全域（弘前市、青森市、黒石市、平川市、五所川原市、津軽一円）を対象に対応いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。