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自筆証書遺言の作成方法と注意点 ~実は認印でも有効です~

2018/5/17

ご訪問ありがとうございます。
青森県弘前市の行政書士香取です。

本日は、自筆証書遺言の作成方法と注意点その2について説明します。(前回よりの続きとなります。)

◎日付

・日付についても遺言者の自書が必要とされております。日付が必要とされる理由は、遺言作成時の遺言者の遺言能力の有無、内容の抵触する複数の遺言がある場合に、その先後関係を明らかにして撤回の有無を判断するためであります。日付がない遺言は無効であります。なお、日付印を押しただけでは自書の要件を満たさないため無効となります。

1)日付の記載方法としては、年、月、日を明らかにして記載します。西暦でも元号でもどちらでも問題ありません。日付は遺言の成立の日が確定出来れば問題ないので、平成29年の私の誕生日、還暦の日などという記載でも問題ありません。ただし、平成29年12月吉日という記載は日付の特定を欠くものとして無効と解されております。
2)遺言の全文を自書した翌日に、前日の日付を記載したとしても有効と解されております。なお、遺言者が錯誤により日付を間違えて記載したものについては、誤記であること及び真実の作成日が証書の記載その他から容易に判明する場合には、遺言を無効とすべきでないと解されております。
3)日付の記載場所については、本文を記載して署名の前に記載されるのが通常ですが、遺言者が遺言の全文、氏名を自書して押印したものを封筒に入れ封印(本文の印と同じもの)し、封筒に日付を自書した場合にも、有効であると解されております。

◎自署

・遺言書には、遺言者が氏名を自署しなければならないとされております。これは、遺言者の同一性及び遺言者の意思に基づくものであることを確保するためであります。氏名については、通常は戸籍上の氏名が用いられますが、通称、ペンネーム、雅号を用いても問題ないと考えられます。氏名又は名のみの記載であっても、遺言の他の記載内容から遺言者の同一性が分かる場合には、有効と解されています。もっとも、要らぬ紛争を招き最終的に遺言が無効になってしまっては、最終意思を実現することが出来ません。したがって、署名は、戸籍上の氏名を正確に記載するのが望ましいと考えられます。

◎押印

・押印は、原則として遺言者自身がしなければなりません。これは遺言者の同一性及び遺言が遺言者の意思に基づくものであることを担保するためであります。

1)使用する印には格別制限は無く、実印を用いる必要はありません。認印でも良いと考えられています。指印でも良いと解されております。もっとも、指印では誰の指印であるのか疑義が出る可能性がありますので、実印を使用するのが望ましいと考えられます。
2)遺言者が他人に押印を依頼してその他人が遺言者の面前で押印した場合や、入院中の遺言者の指示で遺言者から実印を預かった遺言者の娘が自宅に持ち帰り、自宅で押印した場合にも有効であると解されております。
3)押印の場所については、横書きの場合には氏名の右横、縦書きの場合には氏名の下にされるのが通常でありますが、封筒の封じ目にされた押印でも良いとされております。また、遺言書自体には押印がなくとも、封筒に記載された氏名の下に押印がある場合にも有効であると解されております。

◎作成上の留意点

1)遺言書に用いられる字、用語については特に制限はありません。意味がしっかりと分かれば略字を用いることも出来ます。
2)用紙、用具についても格別制限はありません。保存に耐えるものが望ましいと考えられます。筆記用具については、保存及び変造防止のため、鉛筆ではなくボールペン、万年筆が望ましいと考えられます。
3)遺言書の様式については特に制限はありません。遺言書が数枚に渡る場合には、契印するのが望ましいと考えられます。
4)相続ないし遺贈する財産の特定については、明確に特定するように気をつけるべきであります。

※ちょっとアドバイス
・自筆証書遺言を作成するのでしたら、読みやすい字で明確に、財産の遺漏がないように気を付けるべきであります。また、遺言書が見つけて貰えない可能性も有りますので、作成段階から弁護士・司法書士・行政書士等に相談し、場合によっては保管を依頼することも考えられます。

本日はここまでとします。次回、公正証書遺言の作成方法と注意点に続きます。
またのご訪問お待ちしております。

 

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