内容証明郵便の利用~確定日付が必要・内容が重要な場合
こんにちは。本日は、内容証明郵便の利用について説明します。
・内容証明郵便が、どのように利用されているかを大まかに分類して説明します。
(1)確定日付のある証書による通知が必要な場合
・債権譲渡の通知が、この場合にあたります。民法467条1項は「指名債権の譲渡は、譲渡人が債権者に通知をし、又は債権者が承諾しなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。と定め、2項で「前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。」としています。上記の「確定日付のある証書にによる通知」をなすために、内容証明郵便が利用されます。そして、この場合、配達証明も必要であります。他の債権者からの債権差押の通知と競合するときなど、通知到達の前後によって、譲渡が有効ともなり無効ともなります。
(2)通知の内容が重要な場合
1.形成的効果を発生させるなど、権利義務の得喪や変更に関する重要な意思表示を内容とする通知が、この場合であります。例えば、次のような通知があります。
(1)契約解除の通知(民法540条)
(2)解除権の行使を前提とした履行催告の通知(同541条)
(3)解除権を行使するかどうかの確答を求める通知(同547条)
(4)売買予約完結の通知(同556条)
(5)建物賃貸借契約の更新拒絶通知(借地借家法26条)、解約通知(同27条)
(6)消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消通知(消費者契約法4条)
(7)消費者契約における不当条項の無効通知(同8条・9条・10条)
(8)クーリング・オフの通知(特定商取引に関する法律9条その他)
(9)賃料増額請求の通知(借地借家法11条・32条)
(10)相殺の通知(民法506条)
(11)弁済充当の通知(同488条)
(12)債権放棄の通知(同519条)
(13)消滅時効中断のための催告(同153条)
(14)遺贈につき承認するかを問う受遺者に対する催告(同987条)
(15)遺留分減殺請求の通知(同1031条)
2.ほかに、通知の内容が重要であるため、通知の存在や内容が将来争われそうな場合があります。例えば、次のような通知があります。
(1)保証人に対する保証確認の通知
(2)身元保証人に対する使用人の任地変更等の通知(身元保証人に関する法律3条)
(3)委任事務処理状況報告の通知(民法645条)
(4)契約無効確認の通知(同90条)
(5)離婚届不受理の申出(同764条・739条)
3.通知の日付が特に重要な意味を持つ場合
・通知の日付(発信日又は到着日)が重要な意味を持つ場合で、下記の(1)及び(2)の通知のほとんどは、これにあたります。例えば、重複していますが、次のような通知であります。
(1)債権譲渡の通知(民法467条)
(2)売買予約完結の通知(同556条)
(3)相殺の通知(同506条)
(4)クーリング・オフの通知(特定商取引に関する法律9条その他)
(5)株式譲渡承認請求(会社法136条~138条)
(6)取締役に対する責任追及等の訴え提起を会社に請求する通知(同847条)
本日はここまでとします。次回、内容証明の副次的な効果に続きます。
またのご訪問お待ちしております。
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