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遺言書 日付の記載方法は?~効力が問題となる日付とは?

2018/6/18

こんにちは。本日は、遺言書 日付の記載方法について説明します。

◎日付の意義

・自筆証書遺言をするには、遺言者が、遺言の全文、日付及び氏名を自書し、押印をしなければなりません。遺言は、要式行為であるため、日付の自書を欠く遺言は無効となります。
・遺言書において日付は、①遺言者は遺言能力を要するところ、日付は遺言能力の有無の判断の基準となる点、②前の遺言と後の遺言が互いに抵触する場合、後の遺言が有効となるところ、日付はその基準となる点において意義を有しております。

◎記載すべき日付

・通常は、遺言書の日付は遺言書の全文が記載された日が記載されますが、これについては必ずしも厳格にする必要はないと思われます。判例は、11月5日午後9時ころに全文を記載したものの、重態で疲労が甚だしいため翌6日午後2時ころに「5日」と記載した事案についても遺言を無効とすべきでないとし、また、遺言者が遺言書の日付以外の全文を記載した8日後に日付を記載した事案について、特段の事情がない限り、日付が記載された日に成立した遺言書として適法としております。
・もっとも、遺言の厳格な要式行為性に鑑みれば、特段の事情のない限り遺言書を1日で作成し、その作成日を日付とするのが無難であります。

◎効力が問題となる日付

・日付は本来「年・月・日」によって記載されるのが原則ですが、これを備えていない場合、遺言書が有効となるかが問題となります。遺言の要式行為性と遺言者の意思のどちらをどれだけ尊重するかという観点から検討されることとなります。

1.日の記載を欠く日付

・「平成〇〇年〇月」「平成〇〇年〇月吉日」といった日付は、具体的な日付がないため有効となるかが問題となります。
・この点、判例は「大正5年1月」と記載された遺言について、日付のあることは自筆遺言証書の要件であって日付のない遺言は無効としています。これに対して、年月の記載だけでも遺言者の遺言能力等の判断は可能であること、遺言者の意思を尊重すべきという点を理由として遺言を有効とすべきとの見解もありますが、通説は日付を欠く遺言を無効とすべきであるとしています。また、「平成〇〇年〇月吉日」との記載のあるいわゆる吉日遺言も、暦上の特定の日を表示するものとはいえないとして、無効であるとされております。

2.年の記載を欠く日付

・「〇年〇日」といった日付は、具体的な年の記載がないため有効となるかが問題となりますが、この場合も何年の「〇月〇日」を指すものであるかが明らかでないため、暦上の特定の日の表示がないものとして無効であるとされております。

3.一見明らかとならない日付の場合

・日付は通常「年・月・日」を記載しますが、必ずしも暦日を記載する必要はなく、日の特定が可能であれば日付の趣旨を達成することができ、有効であると考えられます。
・判例として、「40年8月4日」との記載を明治40年8月4日の日付として有効としたものや封筒の裏面に数字で「縦書きで 26 3 19日」との記載を昭和26年3月19日の日付として有効としたものがあります。学説も、「還暦の日」「〇〇の誕生日」「平成〇〇年春分の日」といった記載も、日の特定が可能なものとして有効と考えられます。よって、日付を「妻の誕生日」とした記載も有効であると考えられます。

本日はここまでとします。次回、複数の日付が記載されている場合に続きます。
またのご訪問お待ちしております。

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