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共同遺言(同一の証書による遺言)の禁止 ~夫婦でも別々に作成しましょう~

2018/5/13

ご訪問ありがとうございます。
青森県弘前市の行政書士香取です。

本日は、共同遺言(同一の証書による遺言)の禁止について説明します。

◇共同遺言の意義

・2人以上の者が同一の証書を用いて遺言をすることを共同遺言といいますが、この共同遺言は民法975条によって禁止されております。共同遺言には次の3種類があるといわれております。

①2人以上の者が同一の証書を用いつつも、それぞれ関係なく独立して遺言をする場合。
例えば、夫婦が同一の用紙にそれぞれの財産の処分に関し別々に遺言をする場合であります。
②2人以上の者が同一の証書を用いて相互に遺贈しあうこと等を定める場合。
例えば、夫婦がお互いの死亡を条件に財産を遺贈するという遺言をする場合であります。
③2人以上の者が同一の証書を用いて相互に相手の遺言を条件としている場合。
例えば、夫の遺言が失効すれば妻の遺言も失効するというように相手の遺言を要件としている場合であります。

◇共同遺言禁止の理由

・遺言は2人以上の者が同一の証書ですることができないとされています。したがって、上記①~③の共同遺言は出来ないと解されております。共同遺言が禁止されている理由としては次のものが考えられます。

①遺言は本来遺言者の自由な意思に基づいてなされるべきものですが、共同で行うことを認めると、相互に何らかの影響を受け自由な意思に基づいて遺言をすることができなくなる可能性が有る事(遺言自由の原則)。
②遺言者は自由に遺言を撤回することが出来ますが、共同遺言をした1人が撤回をすることが出来るのか、仮に撤回を認めた場合にどのように処理をするのかについて問題が生じること。
③共同遺言者の一方の遺言が方式を満たさないなど無効事由がある場合に、他方の遺言は有効なのか否かについて問題が生じること。
④共同の遺言がそれぞれの遺言を条件としている場合に、一方の遺言者がその条件に反して財産を処分した場合、他方の遺言がどうなるか問題になること。

◇共同遺言に当たるか否かが問題となる場合

1)夫婦それぞれが別々の証書に記載した場合

・同一の証書で遺言を行うことが共同遺言の要件になりますので、それぞれが別々の証書を用いて作成した場合には、そもそも共同遺言には該当しません。したがって、この場合はそれぞれの遺言が別々のものとして有効であります。

2)同一の証書に2人の遺言が記載されているが一方に方式違反がある場合

・同一の証書に2人の遺言がなされているが、そのうちの一方に氏名を自書していないという方式違反が有った場合でも、禁止された共同遺言に該当するとの判例があります。つまり、この場合は、方式違反が無い他方の遺言についても有効な単独遺言として扱われないということになります。

3)共同遺言の形式があっても、実質的には単独遺言と評価できる場合

・一見したところ共同遺言としての形式になっていても、その内容からすると単独の遺言と評価出来るので有効であるとする判例があります。これは、遺言の内容としては1人の財産の処分に関するものであり、その他のもう1人の部分は法律上の意味を持たないことから、実質的には単独遺言と評価することが出来ることを理由としております。

4)別々の用紙に記載された遺言書が1通に綴られている場合

・1通の証書に妻及び夫の遺言が記載されている場合であっても、両者が容易に切り離すことが出来る場合には共同遺言には該当しないとする判例があります。

5)独立した自筆遺言証書が同一の封筒に入れられている場合

・この場合は、同一の証書に遺言がなされたわけではありませんから、共同遺言には該当せず有効であります。

※ちょっとアドバイス
□一見したところ共同遺言に見えても内容的に単独遺言と評価することが出来れば無効にならない可能性は有りますが、無効になるリスクを考えますと、夫婦であっても別々に遺言書を作成するべきであります。

本日はここまでとします。次回、自筆証書遺言の作成方法に続きます。
またのご訪問お待ちしております。

 

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