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建設業法令遵守ガイドライン~11項目/その1

2018/7/25

こんにちは。本日は、建設業法令遵守ガイドラインについて説明します。

◎ガイドラインには11項目の規定がある

・建設業法令遵守ガイドラインには、11項目の規定がされております。

①見積り条件の提示

・建設工事の元請負人は、下請負人に見積りを依頼する場合には、工事の内容や契約条件を具体的に示さなければならないことが建設業法に規定されております。適正な下請負金の額を決定するためには、下請負人が十分な見積りをする必要があるためであります。元請負人が下請負人に工事の内容を明確に示さないと、元請負人は建設業法違反となってしまう可能性があります。
・元請負人が下請負人に見積りを依頼する場合には、工事の名称、施工場所、下請工事の責任施工範囲、下請工事の工程、施工環境などの事項を、工事の内容として下請負人に提示する必要があります。また、これらの事項は、口頭ではなく書面を交付することが望ましいとされております。

②書面による契約締結

・建設工事の請負契約を締結する当事者は、契約の内容を記載した書面(建設工事標準下請契約約款またはこれに準拠した契約書)を作成する必要があります。後に請負契約をめぐる紛争発生を防ぐため、契約書面は工事の着工前に作成しなければなりません。なお、書面に代えて電子契約(電子署名等を付した電子ファイル)によることも可能であります。
・この書面には、工事内容、請負代金の額、工事着工の時期・工事完成の時期、請負代金の支払方法、工事の施工により第三者に損害を与えた場合の賠償金の負担、工事完成後の検査の時期などについて記載する必要があります。また、一定規模以上の解体工事を行う場合には、分別解体の方法や、解体工事に必要な費用についても書面に記載しなければなりません。追加で工事を行う場合にも、その工事の内容を記載した書面を追加工事を行う前に作成しなければなりません。

③不当に低い請負代金

・元請負人は、自らの地位を不当に利用して、建設工事の施工に通常必要な原価に満たない程の金額で、下請負人と請負契約を締結してはいけません。
・弱い立場にある下請負人は、不当に低い請負金額での請負契約の締結を強要されても、それを拒絶できず不利益を被る可能性があるため、不当に低い金額での請負契約締結は禁止されております。
・「通常必要な原価」とは、当該工事の施工地域において、当該工事を行う際に一般的に必要と認められる直接工事費、間接工事費(現場管理費など)、一般管理費(給料など)を合計した価格を指します。また、「自らの地位を不当に利用」とは、元請負人が下請負人よりも優位な地位ににあることを利用することをいいます。たとえば、「元請負人が下請負人に対して、要求を受け入れなければ今後は取引を行わない」などと脅して、低い請負金額での請負契約を締結させることは、自らの地位を不当に利用していることとなります。

④指値発注

・指値発注とは、元請負人が下請負人と十分な協議をせず、元請負人が指定する価格で下請負人に対して請負工事を受注するよう強いることをいいます。指値発注は、元請負人の立場が強く、下請負人が元請負人の指定する金額に対して反論できない場合に問題になります。元請負人の指定する金額が、工事に通常必要な原価に満たない場合には、建設業法違反となる可能性があります。また、指値発注をする際に、下請負人に十分な見積り期間を与えなければ、この点でも建設業法に違反する可能性があります。

⑤不当な使用資材等の購入強制

・建設工事を行う際に、下請負人が元請負人から、建設工事に必要な資材等を購入するケースがあります。下請負人が自発的に元請負人から資材を購入する場合は別として、元請負人が下請負人に対して資材等の購入を強制することは禁止されております。
・ただし、資材の購入先の指定は、請負契約の締結前に行われるのであれば、不当な使用資材等の購入強制に該当しません。請負契約の締結前であれば、下請負人は見積書に資材等の費用を反映させることができ、下請負人の利益を害さないからであります。つまり、不当な使用資材等の購入強制は、請負契約の締結後に行われる場合に限られます。
・また、下請負人が元請負人から資材等を購入することに反対していても、元請負人の資材の販売価格が当初の予定よりも安く、かつ、下請負人がすでに購入していた資材等の返却の問題が生じない(販売店との信頼関係が悪化しない)場合であれば、下請負人の利益が害されません。この場合は、請負契約の締結後であっても、元請負人が下請負人に資材等を購入させることが例外的に許容されます。

本日はここまでとします。次回、建設業法令遵守ガイドライン~11項目/その2に続きます。
またのご訪問お待ちしております。

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